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1993年12月1日の放送

さて、ミュージックガンボウェンズデー、
今日は12月1日"ACT AGAINST AIDS 93 LIVE IN OSAKA"がありました。
こちらの方のニュースをお伝えしてきましたけど、とても大切なお便りが届きましたので、紹介をしたいと思います。
封書でたくさん書いてくれました。
でもとてもいい文章なので、割愛せずに全部読みたいと思いますのでどうぞ聴いて下さい。


DEAR有美さん

こんばんわ。
突然ですが、私がいちばんつらくて、一番嬉しかった話を聴いて下さい。
私には付き合って、もうすぐ2年になる彼がいます。
今年の6月頃、彼の熱が、38度のまま下がらない日々が続きました。
ある日、からだがだるくて足がもつれて歩けない状態になり、一度お医者さんに
見てもらおうということになり、近所のお医者さんにいったところ、大きな病院を紹介されました。彼はその病院で検査を受けました。
でも私が、ねぇどうだった?ってきいても、何もいってくれませんでした。
風邪でしょ?って聴いたら、かすかにうなずくだけで、目もあわせてくれなくて、私はただただ心配するしかできませんでした。

検査の結果が出た日、彼から電話がかかってきて、「しばらくあわずにいよう」と言われました。
そんなのはいやで、どうしてか知りたくて、電話を切ってすぐ、彼のお家に行きました。
彼の日に焼けた体が、とても青白く見えました。
私が余りにもしつこく「どうして?どうして?」ときいたからか、彼は吐き出すように
「感染した。エイズに感染したんや。俺はもう死ぬんや。もうすぐ死んでしまうんや。」
と、涙をぼろぼろ流しながら、話してくれました。
そして、私にも検査を受けるようにと言いました。
彼が今まで付き合った4人の女性にも電話でこのことを知らせました。
検査の結果、エイズに感染していたのは私だけでした。
そう、私が彼にうつしてしまったのです。

私が今までに付き合った人は、今の彼と、その前にはもうひとりだけでした。Yさんです。
Yさんは私よりも年が8つもうえで、結婚もしていて、子供もいました。
だから大丈夫だと思っていました。この私の不注意が、彼の命に傷をつけたんです。
もう、何も考えられないまま、無意識のうちにYさんの家に電話をかけました。
すると冒頭に出たのは、「この電話番号は、現在使われておりません。」という、無機質なテープが聴こえてきました。

私は、私が死ぬことなんて恐くありません。
でも私のいちばん大切な人を私が殺してしまうなんて。
とてもとてもつらくて、毎晩泣叫びました。
私のおかしな態度を見た母は、私を精神病院に入れようとしました。
その精神病院のお医者さんに自分がエイズだといったところ、「専門外」と言う理由で入院を断られました。その時母は私がエイズだということを初めて知り、
「おうちから出ていきなさい。あなたと私は他人なのよ。」と叫びました。

そして私の一人暮らしが始まりました。
重労働といわれる分野の仕事にも金銭的なことでつきました。
エイズに感染したのが分かったのが6月、それから2ヶ月たった8月に、彼が初めて私の部屋をたずねてくれました。彼の顔を見たとたん、嬉しくて悲しくて大声をあげて泣きながら、彼に抱きつきました。
彼はしっかり抱きしめて、「ひとりにしてごめんな。」といってくれました。
いっぱいいっぱい話をしたあと、彼が「どうしてそんなに悲しそうな顔をするの?」
ってきくから、「私があなたの命を奪ったから。」とこたえました。

そうしたら彼はこういってくれました。
「俺がエイズになったのは、お前が悪いんじゃない。お前がうつした人が悪いんじゃない。
俺が悪いんでもない。じゃぁ誰が悪いのかっていえば、誰も悪くないんや。
好きな人と一つになりたいっていう人間の気持ちは、愛情は生きていくために必要なものや。
愛しあった結果、おれたちはエイズに感染した。でも愛しあうことは決して悪いことじゃない。
悪いのは病気でしょ?ウイルス。自業自得やなんて、絶対思ったらあかん。自分を恨んだらあかん、誰も悪くないんや。」
私はこの言葉をきいて、初めて生きる勇気を持ちました。
彼の両親にもこのことを言うことができました。
しばらくの間、口もきけないほどショックを受けられていましたが、自らすすんでエイズを勉強し、今では彼と彼の両親と私の4人で暮らしています。
彼とお父さんとお母さんに、心から感謝しています。
本当にありがとう。

来年の2月下旬に結婚します。
今、エイズだからって、人より早く死ぬなんてことはないのです。
運がよければ、明日ワクチンが見つかるかもしれないでしょ?
ですから、愛しあう素晴らしさを忘れないで下さい。
愛しあうことは生きることです。
有美さん、エイズは漢字で書くと「愛する病」と書くんだそうです。
それではさようなら。



・・・ごめんなさい。
もちろん名前も書いていない、住所さえ、ありませんけど、これを受け取った時に私は、ACT AGAINST AIDSに参加することを決めてよかったなぁ、と思いました。
今は本当にたくさんのことが起こってきていて、人間はもしかして、試されてるのかもしれないって、私は思います。
今、だからこそ大切なものを見直さなければ、本当に人間には、人間の生命には
ピリオドを打たれてしまうんじゃないのかしらと思っています。
ですから、もう一度みんなで大切なものを見直してみましょうね。
今日は本当に世界中で「エイズ予防デイ」ということでいろいろなイベントが行われました。
そして今日、ミュージックガンボも特別にお送りしました。
最後まできいてくれてありがとう。
お相手は私、谷村有美でした。
それではまた来週もきいてね。じゃあね。バイバイ。


音は悪いですが、よろしかったらこちらもどうぞ。